2次方程式 数学

解と係数の関係を利用した因数分解

2次方程式

$$ax^2+bx+c=0\hspace{15pt}\\[10pt]a,b,cは定数,a\neq0$$

の解は

$$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$

です。

いま、2次方程式の2つの解をそれぞれ

$$\alpha=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\hspace{10pt}\beta=\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$

として、次の値を計算してみましょう。

$$\alpha\beta=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\cdot\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\[20pt]=\frac{(-b+\sqrt{b^2-4ac})(-b-\sqrt{b^2-4ac})}{4a^2}\\[20pt]=\frac{b^2-(b^2-4ac)}{4a^2}\\[20pt]=\frac{4ac}{4a^2}\\[20pt]=\frac{c}{a}\\[30pt]$$

$$\alpha+\beta=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}+\frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\[20pt]=\frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\[20pt]=\frac{-2b}{2a}\\[20pt]=-\frac{b}{a}$$

整理すると

$$\alpha\beta=\frac{c}{a}\hspace{10pt}\alpha+\beta=-\frac{b}{a}$$

これらの等式を変形して

$$c=a\alpha\beta\hspace{10pt}b=-a(\alpha+\beta)$$

2次式の標準形に代入すると

$$ax^2+bx+c\\[20pt]=ax^2-a(\alpha+\beta)x+a\alpha\beta\\[20pt]=a\{x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta\}\\[20pt]=a(x-\alpha)(x-\beta)$$

まとめると

$$ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)$$

となり、2次方程式の2つの解α,βが分かれば、どのような2次式であっても因数分解が可能となることがわかります。このツールは、たすき掛けでは因数分解が困難な2次式に対して威力を発揮します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です